お知らせ

2017年09月22日

相続した家は良く考えてから貸さないと

相続財産を売却するお客様がいます。

お客様の娘さんが、相続した建物を知り合いに貸してしまいました。

貸すことを決めてしまってから相談を受け、もともと売却の意向があったため、せめて2年間の定期借家契約にしておきましょうよとお勧めし、そのように契約をしました。

今春、契約して2年になるので、昨年秋に定期借家契約の終了を通知しようとしたところ、またしても娘さんが明け渡しを1年間猶予する旨借家人の申し出を承諾してしまいました。

相続した財産は、地続きの宅地が2区画、その上に建物がそれぞれ1棟ずつあり、双方を娘さんの知り合いが賃借しています。といっても賃借の主体は2棟のうちの1棟で、そちらは今から20年前程前に、被相続人が法人からお高く取得した土地建物(以下「不動産A」とします)で、売却しても利益がでない不動産です。

一方、借家人がついでに使っている建物は、被相続人が大昔に土地を取得し、建物も建築後増改築が施されており、取得費が良く分からない土地建物(以下「不動産B」とします)です。従って、売却すると売買代金の20%ちかくを譲渡所得税と住民税にもっていかれてしまう不動産です。

不動産Bは、被相続人が居住していた建物で、被相続人が亡くなってから今年で3年目になります。これら不動産を売却すると譲渡所得税や住民税はどういうことになるのでしょう?

不動産Aは、20年前に取得した価格より高く売ることはできそうにありません。取得した価格を証明する契約書や領収書も揃っています。利益が出ないのですから税金はかかりません。

しかし、不動産Bはどうでしょう。取得費が良く分からないので売却代金 約4,000万円の95%が利益と見做されてしまいます。境界確定測量も建物や構築物の解体工事も行わないため、譲渡費用は仲介手数料136万円のみです。従って課税所得は3,664万円となり、所得税と住民税の合計は約733万円となります。

このケース、平成28年度税制改正で新たに空き家に対する特別税制が加わり、亡くなった方(被相続人)居住の家屋(昭和56年5月31日以前築の戸建住宅で相続時に被相続人以外に居住していたものがいなかったものに限る)およびその敷地を取得した個人(相続人)が、誰にも貸すことなく、今年中(被相続人が亡くなってから3年目の年末まで)に更地にして売却が完了していれば、3,000万円の特別控除が適用できますので、不動産Bの課税所得は664万円となり、税金の額も133万円で済みました。600万円節税できたわけです。

もっと言うと、たとえ賃貸してしまっていたとしても、不動産Bは実態として利用されていなかったわけですから、被相続人が亡くなってから、事業の用、貸付の用または居住の用に供されていないと説明できるわけです。もし、今年の年末までに売却できれば、上記の節税が可能だったと考えられるわけです。

娘さんの知り合いということで、賃料は破格に安く、上記の節税できる金額を大きく下回ります。なんとももったいないお話しでした。

こんなことが無いよう、不動産の利用方法を変更(特に相続時)するときには、専門家に是非ご相談ください。

読んでみたけど良く分からないという方は、遠慮なく弊社までご相談ください。

特別控除が受けられる土地建物には制限があります。いずれにしても専門家にご確認ください。

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